- December 13, 2021
12月上旬、熊本市中央区の中心部にある【水前寺成趣園】(水前寺公園)内では肥後六花(熊本独自品種6選)の一種「肥後菊」を楽しむことができます。広大な園内の通り道沿いに、すだれで囲った小屋の中にあるため見過ごされがちかもしれません。
肥後菊とは?
今から約260年余前、宝暦年間(1751~1760)に当時の肥後藩主細川重賢(細川家八代)が、藩民の精神教育と品性の向上を図る目的で栽培を奨励したことに始まります。
肥後菊は、花壇に直植えし、その仕立て方には独特なものがあります。後列に丈の高い大輪、中列に中間の高さの中輪、前列に小輪を配し、花壇全体の調和美を鑑賞するものです。
このほか花色を紅、白、黄の三色を基調に、平弁と管弁とを交互に植える等の規則があります。
花期は11月中旬から12月上旬で肥後菊は嵯峨、伊勢ぎくに並び、日本古典ぎくの代表とされています。
(出典:解説板)
肥後菊花壇は花の大きさや高さ、色、花びらによって配置や本数などが決められています。花壇を観賞するときも、庭の花壇を座敷から見るという想定で、3列目の菊の高さの3倍(約136cm)下がって見ます。こ こまで細かいルールが設けられた花壇は世界でも珍しいそうです。
(出典:熊本市公式サイト)
また、この時期は湧水池と富士山を借景に、真っ赤に色づいた紅葉も見頃です。
- May 2, 2021
阿蘇の伏流水をたたえる
阿蘇の伏流水をたたえる
熊本の人気観光地「水前寺成趣園(じょうじゅえん)」は、総面積約73,000m2に回遊式庭園、茶室、稲荷神社、出水神社などからなる有料公園です。熊本県民には通称、水前寺公園として親しまれています。
【漱石が詠んだ熊本】
<湧くからに流るるからに春の水>
夏目漱石
<湧くからに流るるからに
春の水> 夏目漱石
券売所を過ぎてすぐ右手に【夏目漱石の句碑】があります。そのまま進むと、園内案内図やベンチなどがある「正面広場」となります。
【水前寺成趣園】概要
『 寛永9年(1632)、細川忠利公は加藤家の改易により肥後細川家はじめての熊本藩主となります。小倉からの国替えに際して、熊本城東南の湧水池に豊前(大分県中津市)羅漢寺から熊本に来ていた住職・玄宅のために、一寺を設けて「水前寺」と号します。また、同池に数寄屋風の御茶屋を建て「水前寺御茶屋」と呼ばれるようになります。これが水前寺成趣園の始まりです。
その後、二代熊本藩主光尚公、三代綱利公の三代にわたり作庭が行われ1671年に現在とほぼ同じ規模の庭園ができあがり、陶淵明の詩に由来する「成趣園」と名づけられます。阿蘇の伏流水の泉水を中心とする回遊式庭園で、昭和4年(1929)に国の名勝・史跡に指定されています。
* 面積 約73,000m2(池の面積 約11,000m2)
* 松の木の本数 約230本
* 桜の木の本数 約160本
* 梅の木の本数 約140本 』
(出典:解説板)
広い庭園にはベンチも設けてあるのでゆったりとした時間を堪能できます。おやすみ処(休憩所)には肥後細川家略系図やかつての水前寺成趣園の水彩画などを展示。
久しぶりに訪れたこの日は桜の時期がとうに終わったこともあり、園内は観光客もまばらで、新型コロナウイルス感染症予防のいわゆる「三密(密集、密接、密閉)」とは全く無縁のストレスフリーでした。
園内には出水神社「能楽殿」も建っており、毎年8月第1土曜日にはかがり火が燃える中で薪能が開催されるそうです。まさに、夏の夜の風物詩ですね。
熊本市電「水前寺公園」電停 〜「水前寺成趣園」徒歩約4分